SWOT分析とは?

業務改善
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部長さん
部長さん

今度受ける監査で現状分析の報告しろって。
なにやら、内部環境と外部環境がこんな感じなので、
今こんな方向性でやってます。みたいな。

所長
所長

ISOやIATFなどの監査で聞かれたりしますね。

部長さん
部長さん

そうそう。
で、どうすればいいの?

所長
所長

求められているのはSWOT分析(スウォット)でしょうね。
報告時間も限られていますし、カッチリした必要はないですが、
SWOT分析のイメージで報告すれば良いと思いますよ。

SWOT分析とは、環境分析の手法になります。

内部の環境では、強み(Strengths)弱み(Weaknesses)を、外部の環境では国規模で経済を把握していくマクロ経済と、マーケット別に経済を把握していくミクロ経済がありますが、その環境における機会(Opportunities)脅威(Threats)に分けて分析をします。

組織の現状分析をする上での考え方のひとつとして、知っておくと整理がしやすくて良いと思いますし、よく使われる手法なので、監査などではこういった考え方に基づいて整理できると理解を得やすいと思います。

SWOTの内容について

強み(Strengths)

会社や部門などの組織単位で、その組織が持つ強みの観点で分析しますので、こちらは内部環境分析にあたります。強みの定義付けは、VRIO分析(ブリオ分析)などで行うと良いとされています。

【参考】VRIO分析
その強みが本当の強みなのかをフローに従い評価し、判断するための分析手法です。

では、具体的にどんなものが強みとして上げられるでしょうか。

  • 独自の生産設備及び、その設計に関する特許
  • 特定の顧客との長い付き合いがあり、担当者間でのつながりが強い
  • 品質が高く、顧客が開催する品質管理アワードの受賞をした

このとき、この設備が安く簡単な設備であれば希少性に乏しいため、強みとしては「競争均衡の源泉」となりますので、弱いものとなります。しかし、高価であったり独自技術で組み上げられた設備であれば模倣困難であるため、「宝の持ち腐れ」「非常に強い強み」として持続的競争優位の源泉となる強い強みになります。

部長さん
部長さん

では、弱い強みは上げない方がいいんだね。

所長
所長

いや、そういうわけではないんです。
目的達成や競争力強化のためには、弱みを改善するよりも
強みをもっと強くする方が効果的です。

ですから、弱い強みも整理すると良いですよ。

弱み(Weaknesses)

会社や部門などの組織単位で、その組織が持つ弱みの観点で分析しますので、こちらも内部環境分析です。
弱みは分かりやすいと思います。他社に対して劣っていることや、問題点などです。
こちらも具体的にどのようなことがあるか挙げてみましょう。

  • 従業員の年齢上昇に伴う機動力の低下
  • 未熟なIT知識
  • 顧客の度重なる売価低減要求により、限界まで原価を下げても利益がほとんど出ていない

強みや弱みは、内部環境の分析になりますので、会社や部門におけるリソースの観点で切り分けて考えてみると見付けやすいです。リソースとは、「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」ですね。

「改善」には

物事をよい方に改める「enhancement」悪いところを直す「improvement、の二つの意味があります。
①が強みをもっと強くする改善、②が弱みを克服する改善です。

多くの業務改善は、②が行われていることが多いですが、弱みを改善して「非常に強い強み」まで押し上げることは大変な労力と費用がかかります。そのため、他社レベルにする「競争均衡の源泉」が目標となることが多いのですが、これだけでは勝ち残ることは難しくなります。

そこで、重要なのが①の改善です。自社の強みに磨きをかけて、他社に対する優位性を持つ強みに育てて競争力を付けることが、競争力を付けるための業務改善では優先すべき項目となるのです。

強みの分析をする際には、”ちょっと弱い強み”の抽出が重要になってきますので、弱みにばかり注目せず、強みにも注目した現状分析を心がけましょう。

機会(Opportunities)

機会とは、目標を達成するために有利となる状況や条件のことですので、外部環境分析に当たります。注意すべき点としては、具体化されていない将来の状況ではなく、現実的な予測に基づくことや、すでに発生している状況を抽出していきます。
具体例を挙げると、

  • 顧客における新規モデルの開発スタート
  • 同業他社の撤退
  • 世界的なモビリティ化の推進

脅威(Threats)

脅威は機会と反対にネガティブな状況や条件の抽出です。同じように外部環境分析ですね。
こちらも具体例を挙げると、

  • 人口の減少に伴う消費の低下
  • 他業種企業の参入
  • 労働時間短縮による生産性低下の懸念

外部環境分析では、世界情勢のようなマクロ経済にある手の出しようのないものから、取引先の影響といったミクロ経済にある比較的手の届きやすいものまであります。全体の大きな方向性はマクロ経済で追いつつ、それに則った流れにあるミクロ経済の機会を獲得していくことが現実的で、リスクが小さいものとなりやすいです。

そのため、外部環境分析では、できる限りマクロの視点とミクロの視点の両方で抽出できると、とても整理がしやすくなると思います。

SWOT分析の仕方について整理しましたが、簡単に言うと、長所と短所を見付けることと一緒です。履歴書に自身の長所と短所を書くような感覚で考えればよろしいかと思います。

クロスSWOT分析

さらに分析をアクションレベルにまで落とし込むのがクロスSWOT分析です。

内部環境の強みと弱み、外部環境の機会と脅威でマトリックス表を作り、交わった条件における戦略を検討することで、具体的にどういった活動をしていくのかを考えるための手法です。

先ほどSWOT分析の具体例で挙げた項目を使ってクロスSWOT分析をやってみましょう。

機会x強み:新商品のコンペという機会に対して、顧客との強いつながりをもつ担当者を充てる

脅威x強み:新規参入企業の脅威に対して、これまでの経験を活かした独自技術で差別化する

機会x弱み:ITの弱さで新たな商圏につながる波に乗り遅れないように、IT部門の強化する

脅威x弱み:人口減少と従業員の高齢化に対して、海外労働力の取入れに向けた検討を始める

部長さん
部長さん

はぁ、確かに。
この流れだと、現状分析の結果が戦略に反映されるね。

所長
所長

このとき、経営方針や中長期目標とずれた戦略に
なってしまっていないことにも注意が必要ですよ。

分析から具体的な対応策へ

このような流れで、現状分析し、将来に向けた戦略を立てることができましたが、これで終わってしまってはいけません。この戦略を実行するためには、具体的に何をしていくべきなのか、どのような進捗管理をしていくべきなのかといった、具体的な対応計画の立案が必要になってきます。

ここでの活動では、PDCAサイクルを意識したものであると非常によく進みます。

監査でも、ここまでの報告を最初にしてもらうことで、監査員側も被監査側がどういった方向を向いた活動をしているかが共有できます。そして、このあと具体的な活動状況等を確認していく際の指針とすることで、監査側も本筋と大きく外れた指摘をすることが減りますよ。

また、SWOT分析は事業戦略を立てていく上でもとても有効な方法です。これから新事業のアイデアを形にしていこうと考えている方には、こちらの記事も参考にしていただけると嬉しいです。

(おまけ)コンティンジェンシープランとローリングプラン

メインルートとして定めた戦略について、計画以上の成果が得られた場合と、不測の事態により計画に届かない成果となったときのために、それらを想定した計画を作っておくことを”コンティンジェンシープラン”と、言います。

要するに、保険やバックアップ案と呼ばれるものの仲間です。

監査などでも、たまに「この場合はどうされますか?」といったような反応が返ってくることがあります。おそらく、立てた戦略や対応策に対して、「的外れかな?」とか「失敗しそうかな?」という印象を受けた時に聞かれやすいのでしょうが。
そのような場合でも腹を立てず、「これらのプランが立ててあると良いですよ」とアドバイスをしてくれていると思って対応しましょう。

この”コンティンジェンシープラン”を作成をしておくことで、次の一手を早く打つことができますから、対応が後手に回ることを回避するというリスクヘッジにつながります。
ただし、”コンティンジェンシープラン”を作っていくには、余分な計画を準備しておくことによる費用が発生します。
そこで、環境変化が激しく、計画に変動が入ることが容易に想像できるような場合には、”ローリングプラン”を使います。こちらは、計画を定期的に見直しながら進めていく方法になります。