今では多くの方が認知し、活用されている”PDCA”ですが、実際にうまく使われていないケースも多く見受けられます。
Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善)の言葉の意味や流れ、考え方についてまとめていきます。
“PDCA”は仕事の基本ですね!
そうです。
“PDCAサイクル”を回せ!とはよく言われますが、
課長さんは回せてますか?
え…回す?回すとは?
“PDCA”は回すものなんですか?
あら…
PDCAを1回やっておしまいではもったいない。
回してこそ本領発揮ですよ!
“PDCA”とは
まずは基本、”PDCA”とは何か?から説明していきます。
Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善) この流れで活動を進めることで効率よく目標達成することができるものになります。
この”PDCA”とはマネジメント・サイクルの一つとして生まれた手法です。マネジメント・サイクルとは、利益の最大化を目的とし、ヒト・モノ・カネ・情報といった企業が保有する経営資源を管理、活用する過程を指します。
企業は、①現状と企業の将来像のギャップを明らかにし、②目標とする将来像へと向かうための道筋に沿って適切に進めることが必要です。そのためのツールとして、この”PDCAサイクル”を生み出し、経営活動を推進するために活用してきました。
③にありますように、KPI管理の節目で行う目標との差異が”C”になり、中間目標に未達であれば”A”改善を行い、次の中間目標に向けた”P”目標を再計画、”D”実行していく。このようなイメージで複数回”PDCA”を行うことが、”PDCAサイクル”になります。
KPI管理の記事はこちら⇩
各層に”PDCA”の活用が求められる理由
将来の経営層としての知識として、当然必要となるものですから求められるのも当然ですが、個別の業務マネジメントも経営と規模が違いはあっても基本の流れは同じです。
目的や目標と現状のギャップを把握し、それに対する環境分析があり、進むべき道筋を計画(P)します。
そして、その道筋に沿った活動を推進します(D)。
毎週や毎月、プロジェクトのフェーズなどでの状況の確認(C)を行い、計画とのズレを補正する(A)。
そのため、役職に関係なく”PDCAサイクル”の活用が求められるのです。
私、こちらの個別業務の進め方のイメージしかなく
“PDCA”がマネジメントにというイメージが薄かったです。
自身の担当業務の管理、部下の仕事の管理、
プロジェクトの進捗管理などなど、
目的に向かって活動を進めるための管理に必要ですね。
多くの”PDCA”失敗例
目的・目標が曖昧
何をすべきかの目的地の設定がされない、もしくは曖昧な目的地の設定のために計画を立てても、フワフワした状態になります。この場合でも、とりあえず活動は進みますが、マイルストーンとしての目標設定もないため、評価が出来ず、改善も起きません。
そうすると、”PDCA”ではなく”DDDD”です。
ただ愚直にやるだけです!
なんて言ってみたところで、それでは目的地には到達しないですよ。と、言いたくなるような活動は意外と多く見られませんか?
こういった”DDDD”の活動は、年度末などに振り返りをしても、実現できていないので来期へと取り組みを継続していくことを繰り返し、結局何年も同じことを目標に掲げて活動するようになります。それでも、そのような状態でも年度末の振り返りを”C”、来期また同じことを行うことを決めたので”P”として、”PDCAサイクル”が回せていると考えることはとても危険です。
あくまでも、”C”は計画のマイルストーンとして設定された目標(KPI)に対して評価され、そこからの改善が行われたうえでの再計画が正しい”PDCAサイクル”となります。
”やってみましたけれど、終わらなかったので再計画して進めます”、”ただひたすら、完成に向けて活動するだけです”という言葉が活動チームから出てきたら、大体このパターンに陥っており、早めの是正をすることが必要です。
サイクルさせない”PDCA”
担当者として優秀というのは、仕事が早く的確であることが特徴です。こういった優秀な担当者だった方々で、業務を細かく分解し、同時並行で複数業務を処理する、いわゆるマルチタスクでの業務推進が可能な方々が管理者になった際に多く見られた事例の紹介です。
このような方々が担当者として活躍されていた時に多く見られたのが、”PDCA”で仕事をするにしてもサイクルで回さなくとも、1度の”PDCA”で完結まで持っていける状況です。
これは、業務の目的地がはっきりとさせられ、比較的短期間での業務に細かく分解するためです。しかし、マネジメントになるとどうしても目的設定が中長期にならざるを得ません。目先の目的地しか立てられないと、フワッとした感じの目的になりやすくなります。
担当として優秀だった方がマネジメントへ昇格されたときに、ゴールまで一回の”PDCA”で到達しようとしてしまうことで、ブレやズレが大きくなり、うまく業務が回せず評価を落とすことが多くありますが、この辺りの悪さが原因となっている場合がみられます。
評価が曖昧
マイルストーンとして設定されたKPIが、数字を使うなど客観的に誰から見ても同じような判断ができる指標が使われていない場合には、人によって良し悪しの判断が変わってしまいます。
評価が変われば改善の方向が変わりますから、チームとしての活動にも乱れが生じます。
極端な例ですが、グループの生産性向上を目的としたときに、評価基準が数字で示されず、”昨年度よりも早く帰れるようになった(気がする)”と評価してしまうと、”仕事が減った”のか、”人数が増えた”のか、”担当者のスキルが向上した”のか、などの様々な要因を具体的に判断できません。ある人はもう達成できたと判断し、活動をやめてしまうかもしれません。もしくは、ある人はただ仕事が減っただけと判断し、改善を更に進めようとするかもしれません。
こうなると、チーム内での方向性が乱れ、バラバラの活動になってしまいますから、具体的な数字で評価基準は設定できると良くなります。
まとめ
最初にも載せた図が”PDCAサイクル”を的確に表していると思います。
目的地と現状をしっかりと明確にして、そのギャップを埋めるための道筋を計画する。
具体的なマイルストーンとして設定された目標値を掲げ、その時々でズレを評価して補正する。
そして、またそこからギャップを把握してと繰り返していくことが”PDCAサイクル”となります。
そして、上位マネジメントとなるほど、その目的や目標が曖昧で長期に及ぶため、目的のフォーカス、要素の抽出、計画や補正の精度が求められるようになります。
“PDCAサイクル”は担当者から管理者まで幅広く
使っていく必要があります。
そのステージに合わせて、磨き上げていけると良いですね。