“方針”を共有することで得られる効果は?

業務改善
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『上の”方針”がよく分からない』、『会社がどこに向かっているのか分からない』

こういう言葉は、現場改善を始めると必ず耳にします。

この”上”が指すのが直属の上司なのか、部長なのか、もっと上の役員や会社のことなのか、またこの言葉を担当者が言っているのか係長クラスなのか、課長なのか、部長なのかで問題がどこに眠っているのか当たりを付けることができます。

上位方針を現場が知っていることでどのような良い効果があるのでしょうか?また、なぜこのように現場にはなかなか方針が伝わらない状態に陥ってしまうのか考えていきましょう。

“方針”を部下に伝えることが大事…なぜ?

マネジメント研修を受けた課長さんが相談にやってきましたよ。

課長さん
課長さん

マネジメント研修で、

「上位方針を組織内に自分の言葉で伝えることが大事」

と教わったけど、それでどんな良いことあるんでしょ?

所長
所長

一番は、方向性が定まるので所属するメンバーたちは

自分の活動がやりやすいですよね。

あとは組織の一体感、チームワークの向上などですね。

課長さん
課長さん

やっぱりそうですよね。

それはなんとなくイメージができます。

ただ、どうやって伝えたら良いんでしょう?

自分がそもそも上位方針を教えてもらった覚えもなくて。

上位方針が伝わらない理由は、上位層から下位層への伝達がうまくいってないからです。会社方針を現場に落とすためには、経営層から部門長へ、部門長から課長へ、課長から課員へと順番に伝えていく必要があります。

では、課長さんが上位方針を教えてもらった覚えがないとのことなので、部長さんにどうやって会社方針を課長へ伝えたか聞いてみましょう。

部長さん
部長さん

え?会社方針?

期初に課長以上を集めて社長たち経営層から方針説明がされるから

それに課長さんも出席してるし、何もやってないよ。

所長
所長

ほぉほぉ、では部長さんは経営層の方々が話をされた

会社方針を受けて、部門方針を立てられると思いますが、

それはどうされてますか?

部長さん
部長さん

んー、作ったら本部長さんに見せて、

修正入れたりやりとりして、承認もらって終わり。

所長
所長

え?

部長さん
部長さん

え?

ちょっと大げさですが、部長さんは経営層である役員さんたちから会社方針が下りてきた内容を自分の言葉で伝えることをせず、部門方針についても伝えることをしていませんでした。このとき、課長さんは経営層の話を聞き、会社方針を理解しなければなりません。そして、そこから部の方針を推定して課の方針を立てなくてはなりません。

また、新入社員が課長の指示を完璧に理解できないように、管理職に成りたての課長が経営層の話す会社方針を理解することは難しいものです。

きちんと部長さんが、経営層と課長さんの間に入り、経営層からの会社方針を伝える必要があります。そして、会社方針につながる部門方針を伝え、部門方針を達成するための要素を一緒に抽出し、課目標を一緒に作り上げるような活動が必要になります。

そして、課長さんはそうして作った課目標を課員に伝える際に、会社方針に基づいて立案された部門方針、部門方針に基づいて立案された課方針、課目標を伝えること。そして、課員の目標を課方針や課目標を基にして、一緒に作り上げることが必要になります。

要するに、上司から部下へ会社方針を伝えつつ、組織内に上位方針を展開する方法というものを教育していくようなイメージで考えると良いかと思います。こうすることで、経営的な考え方を管理職が理解し、徐々に大きな組織をまとめる力を付けることで、将来の部門長や経営層の育成にもつながっていきます。

部長さん
部長さん

でも、研修じゃダメなの?

わしは会社が課長になったときにやらされる

マネジメントの通信教育しかやってないけど。

所長
所長

別に研修が悪いわけではないです。

上司から教育出来ない場合には研修が有効です。

ですが、上司からの教育の方が確実に組織力が付きますよ。

課長さん
課長さん

なんとなく分かりますけど、結構大変ですよね?

それだけの時間を使ってまでやる効果ありますか?

メールで展開して読んでおいてもらう程度ではだめでしょうか?

研修によくある事例

研修を受けたり教科書の内容と実務の関連付けができないと、どうすれば良いか、ピンと来ないものです。研修では基礎知識だけをインプットさせて終わりということが多く、勉強したけれども腑に落ちておらず、時間とともに忘れてしまうことになります。

場合によっては、ワークとして自部門では今後どういったことに取り組みますというところまでまとめて、後日フォロー会が行われるなどもありますが、インプットしたばかりの知識で立てた計画では実行が上手くいかずに、活動が停滞することも多いようです。

研修時間が限られているため、十分なアウトプットをさせていられないというのも理解します。

また、アウトプットを見てもそれぞれの実務を十分に理解していないと、それが良いのかどうかが、講師にも判断ができないので、ワークをやっても受講者の腑に落ちない状況が生まれます。

インプットした知識が、自身の経験などとリンクしない場合、認知したすぐには存在を知覚していても、時間が経つにつれて、知識が離れ小島になってしまい、自由に渡れず、そのうちに忘れ去られる存在となってしまいます。

ですから、ポツンと離れ小島の知識にしないように、頭の中にある実務経験などとの橋渡しをするなどして、陸続きの知識としてあげることがとても重要です。

そうすると、実務をよく知る上司が長い時間をかけて繰り返し教育を行うことが大切になりますし、一緒に学ぶことで信頼感や一体感の醸成にも役立ちます。そして、そういった経験をした課長さんは、次に課員への教育も同じように行うことができるようになるでしょう。

結果、会社の方向性は下図のように、上から下まで一貫性を保つことができます。そして、会社全体の一体感が生まれますし、将来的な教育体制も整ってきます。

長期的な効果しかないのか?

チームスポーツでもチームワークが高いほど、力が発揮されて強いですよね。

これは、組織の活動方向性が定まることで全体が同じ方向に進めるためです。ですから、組織の向かう先を定めて活動を進めると、何もしなかった時と比べてとても大きな成果が出ます。

この方針を共有するという活動に割いた時間以上に一年で得られる成果は大きなものになると思いますし、継続してKPI管理を行い、節目ごとに活動方向性のばらつきを抑制していくことで継続的に高い成果を出すことができるようになります。

所長
所長

急がば回れ!

高い成果を出すには、それなりの準備が必要です。

包丁を研いでおかないと料理がはかどらない様に、

組織管理は活動方向性を合わせることが大切です。