QCサークル活動ができる組織は成長が早い?

業務改善
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課長さん
課長さん

今年も”QCサークル活動”が始まっちゃいましたけど、

ほんとムダな時間ですよ。

なんで毎年こんなことするんですかね?

所長
所長

そうですね。

普段から業務が忙しい中で、わざわざ集まったり発表資料まで

用意して取り組む理由が分からない。そんな声も多いですね。

課長さん
課長さん

教育なんて言いますけど、普段の仕事の中でやってますから

わざわざQCサークル活動なんかしなくても大丈夫ですよ。

毎年教育の一環という位置付けで、QCサークル活動を各部、各グループで行うことを推奨という名の義務で活動が行われている会社も多いのではないでしょうか?

目的をよく周知していないと、課長さんのように不満の声も多く、活動自体もやる気のない、その場しのぎの活動になっています。

ですが、QCサークル活動の報告採点者として、社内優秀グループを選出してみたところ面白い結果がでました。この活動が素晴らしいチームが所属する部やグループというのは、課長以上のマネジメントも優秀であることが多く、普段の業務においても中心になって問題解決を進められるところでした。

そこから、QCサークル活動を行う上で何がそれほど違うのか調査をしてみました。

課長さん
課長さん

実際に活動するのは係長や主任だったりするのに

課長のマネジメントが影響してるってどういうこと?

QCサークル活動とは?

そもそも現場に活動の主旨が伝わっていないQCサークル活動とは何か?

ここから分からないので、”面倒””ムダ”といった声が上がります。

そして、そういった声が上がるチームでは、それなりの成果しか上がることがありませんから、当然やるだけムダという結果になり、次期の活動でもまた同じような声が上がる悪循環に陥ります。

QCサークル活動の定義

職場内で品質管理活動を自発的に行う小グループでの活動であり、QC七つ道具などのQC手法を活用して、職場環境の改善や、業務改善などを主な鵜物で、基本的にはサークルメンバー全員で行うものと定義されています。

そして、ここでいうサークルメンバーというのは、各業務の現場のことを指し、監督者ではなく、作業者や担当者自身が主体的に自らのスキルアップや会社忠誠心から行うようなボトムアップの活動となっています。

海外では?

欧米などでは、どちらかというとトップダウン型の改善を進めるのが主ですから、このようなみんなで進んで会社のために活動しようという考え方をあまりしません。

ボトムアップ型の改善活動であるQCサークル活動は、基本的には日本でのみ行われている手法となっています。

ただ誤解してはいけないのは、QC七つ道具のようなツールは海外でも使います。

特性要因図はフィッシュボーンと海外でも呼ばれることは有名なので、ご存知の方も多いかと思いますが、海外でもフィッシュボーンを書いて情報を整理していくような作業は実際に行われています。

ただ、こういった作業を行ってチームの情報を整理し、方向性を出していくのは、プロジェクトマネージャー(PM)と呼ばれるリーダーなどによって行われることが多く、トップダウンで行われる戦略決定のツールとして使用されることが多いです。

今の時代のQCサークル活動は?

ボトムアップ型で、全員参加、会社への忠誠心など、時間外の活動としてやるべきものだというサークル活動は、今の時代には合っておらず、2000年以降では形を少しずつ変えてきています。

もともとは、日本の高度成長期をけん引してきた貢献度の高い、とても素晴らしい活動でした。

私など、当時子供ながらに”24時間戦えますか?”のCMと、なかなか家にいない父親の姿がマッチして、サラリーマンとはそういうものなんだと思っていましたが、その時代にはこういった活動があったことで、今の日本があるともいえるかもしれません。

しかし、生産性を求めたバブル期も終わり、2000年以降には環境や社会に対して目を向けた状況へと変わってきました。そのため、大手企業などではQCサークル活動を教育として、就業時間内に行う活動だという位置付けへと形を変えながら、改善手法や技術の承継をしていくようになりました。

徐々に自発的な意味合いをなくし、嫌々活動をしていた方々がマネジメント層へと移り始めると、活動自体に意味をなさない悪さがサイクルとして回ります。具体的には、QCサークル活動を通じて行う現状把握と目標地点のギャップを捉える分析技術の基礎を知らず、解決に向けた進め方の基本を知らないのですから、部下に教えることができません。

スポーツにせよ、武道にせよ、勉強にせよ、基本があって初めて応用ができます。自己流で仕事ができる人は一握りです。分野が変わったり、時代が変わると付いていけなくなってしまいますから、基本を学ぶことはとても大切です。

根本的な主旨から理解させ、QCサークル活動を通じて会社の改善を行うための基本を身に付けさせるものとすることが大切です。

課長さん
課長さん

たしかに面倒で今までなんとなくでしか活動してなくて

QC7つ道具とか流れとか教えられてないです。

所長
所長

QCサークル活動は技術承継の場でもあるんです。

ですから、マネジメントがしっかりしていて、

仕事の仕方を整理立てて教えられる組織は活動も

真剣に取り組みますし、高い成果も出るのです。

QCサークル活動を上手にやるには

まず、QCサークル活動がなぜ今も教育の一環として続けられているかというところは理解を頂けたかと思いますが、やり方が分からないという声も多く聞きます。

QCサークル活動を上手にやるには、まず「やることに対する目的を理解」し、「やり方を知る」ことが必要です。

やることに対する目的

これは先ほどの話にありますが、業務の一番近くで対応している担当者や現場が、一番状況を理解していますから、その一番近くで理解している担当者や現場が主体となってボトムアップ型の改善活動を行うことにあります。

トップダウン型で対応する場合には、まずトップが現場から問題を吸い上げることを始めることが必要ですが、ボトムアップ型で自分たちで問題を抽出することを活動のトリガーとすることで、大幅な活動の短縮が可能となります。

また、自らが主体となることに対する権限が委譲されている状況や、チーム全員参加とすることによりモチベーションの向上、コミュニケーションの向上につながります。また身近な自分たちの中から優秀な者を見付け、その者が持つ特性、コンピテンシーの共有など多くのパフォーマンス向上を図るために必要なことが、この活動により推進することができます。

そして、ここで身に付けた手法は、その後の身近な事例の改善活動だけでなく、各個人の業務や会社全体プロジェクトの改善などへの発展も可能となり、会社として大きな力となります。

QCサークル活動のやり方

細かい内容まではとても難しいため、ひとまず活動の流れの中で重要なポイントをまとめていきますが、その際に分かりやすいように、優秀なチームとそうでないチーム(この先、優秀チームと一般チームと表記)で比較しながらまとめたいと思います。

優秀チームと一般チームの差

QCサークル活動で現場が改善すると思っている

QCサークル活動を行う意義、目的が理解できているのと理解できていないのでは、結果に大きな差が生じます。これは、特にカンコツに頼った暗黙知で仕事をしているような部署やチームに多く見られました。逆に、形式知化を進めている、進め始めている部署というのは、逆にこの活動が良いきっかけになると感じており、積極的なコミュニケーションやディスカッションが行われた様子がうかがえました。

どのようなプロジェクトでも目的がしっかりしていなければ、成果はしっかりと付いてきません。目的と現在のギャップが問題点であり、解決の道筋を決めるためにとても重要なポイントとなります。

それが意識として分かっていない=QCサークル活動をムダなものとして捉えているということで、当然結果に大きな差が生じます。

まとめ役が機能している

QCサークル活動は”全員参加”で行う、いわばブレインストーミング、集団思考による多角的視点での問題や課題の改善を図る活動となっており、その手法を学ぶ場でもあります。そのため、まとめ役が機能していないと、方向性がまとまらない、意見が整理されない、何をしてるかよく分からないといったことにもなり兼ねません。

実際に、活動ではチームリーダーが設定されるのですが、勉強だからとグループの新人などに押し付けてやらせるケースもあります。そして、上司やベテランからのサポートが十分に得られず孤立するようなチームの場合、内容がかなり薄くなってしまい、ただやれと言われたからやっただけという活動になっています。

QCサークル活動でのチームリーダーは、ひとつの小さなプロジェクトをまとめるリーダーとしての勉強の場でありますから、できれば次世代の監督者を担う方がトレーニングするには良いのですが、目的をいまいち理解していないこともあると、こういうところでも悪さがでます。

便利な検討ツールを使いこなす

当然、担当クラスに改善の手法を学んでもらうことも目的です。

その改善手法として使われるのが、QC七つ道具新QC七つ道具です。

これらの手法、ツールは実際の現場では使えない」なんて言葉もちらほら聞くことがあるのですが、確かにツールがそのまま当てはめられない事例はたくさんあります。

ですが、これも理解が不十分なために生じる発想です。

算数や数学が、実際将来役に立たないのに勉強するのはムダだと言っている学生と同じです。

それら計算の基礎が、その応用である物理や化学、財務、経済学、情報システムや経営など幅広く使われるのですが、まだ見ぬ応用された将来技術を知らないので、基礎がムダな知識のように思えてしまうのです。

要するに、これらの基礎がつまらないものだと感じているうちは、まだまだ未熟なのだということです。まずは、これらのツールの基礎をしっかりと覚え、応用へと発展させ、そして最終的にはそれらの知識を自らのものとして新たな自己流の手法へと昇華させてこそ一流の技術となるのです。基礎の習得もないのに一流になれるプロはいません。

活動の良否の具体例

活動の流れ

  1. 困りごとの抽出…現場で生じている困りごとを全体で抽出
  2. 内容の整理…抽出した困りごとそれぞれについて、何にどう困っているかを整理
  3. 評価…それぞれの問題に対する重要度や必要な資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を配点
  4. テーマ決定…配点結果から、取り組みテーマを決定
  5. 状況の深掘り…将来あるべき姿(目的)と現在の姿のギャップを比較
  6. 要因分析…問題発生の要因を分析し、対策方向性の整理
  7. 目標の決定…必要な対策と、各フェーズ、時期におけるマイルストーンの設定
  8. 対策の実行…計画に基づき対策の実行
  9. 判断…実行した対策とマイルストーンの比較、必要に応じて計画の補正と改善
  10. 再対策の実行…再計画に基づき再対策の実行
  11. 最終判断とまとめ…最終的な目的達成度の評価と考察、まとめ

このような流れで進められているQCサークル活動は、きれいにストーリーがつながっていますから、スムースに頭の中に活動の内容が入ってきます。

そして、この流れ会社方針や部方針などを立てて運営していくやり方とも共通していることが分かるでしょうか?このように、将来会社を引っ張っていく経営層、管理職の育成の基礎的な流れがここにあり、それを現場から習得していくということが、大きな会社の力になることから、教育として実施がされています。

課長になって初めて学んだ人と、現場の頃から15年、20年と熟練させてきた人でどれだけの力の差があるかは容易に想像ができると思います。もし、QCサークル活動をムダだと言ってしまう上司がいらっしゃれば、まだ基礎の習得が未熟ですから、監督者としてもっと多くの経験と勉強が必要です。

活動が大事だと説明できるようになってようやく戦える基準に達したところ、使い方を教え、活動に対する評価や改善点を示せるようになると、基礎が固まり応用が利く段階にあります。

ぜひとも課長クラスの監督者には、この応用が利く段階まで力を付けて頂けると、今後さらに大きな組織を運営していく状況になったときに、会社経営に対する大きな力の差が影響力として出てくるかと思います。

所長
所長

はい。けっこう厳しかったですよね?

でもマネジメント層も若手時代に教わらずに

ここまできているので可哀想ではあるのですが、

今やっておかないとまずいですからね。

課長さん
課長さん

基本が大事なんて仕事以外では分かってるのに。

部下が育たなければ組織の力も上がりませんし、

そうなれば自身の昇進だってないですよね。

所長
所長

経験を積んできた課長さんは、基本の習得も早いです。

今からでも遅くないので、部下たちと一緒に考えて、

学んで成長できる機会として生かしてください。