要因分析の手法(下)

実務・現場
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それでは、要因分析手法の基本的な考え方シリーズの最後となります。

今回は、要因分析手法としてのちょっと細かい部分のテクニックについての説明となります。

ちょっと気を付けることで、なぜ?と掘り進めることが楽になったり、変な対策を取るようなことが減り、効果的で効率的な改善活動につなげられるようになります。

要因解析手法のテクニック

層別するときの注意点

AとBに相違があるような場合、”Aが違う”ことだけで掘り下げていってしまう検討を見かけます。

一方の立場で物事を見てしまうと、十分に要素を抽出することができずに、真因に辿り着かないこともあります。

「発生と流出」、「仕組みと人」のような層別を行うときでも一方だけでなく、もう一方の立場で見た時の要素、要因も見ることが大切になります。

推測による抽出の見付けるポイント

”いつもは”と、いう要素を抽出したところと、”経験不足により確認する箇所が分からない”という要素を抽出したところがあります。

これ、果たして同じ人物でしょうか?

おそらく、問題発生時の聞き取りなどで、いつもは顧客からの情報に入っているものがなかったために、見落としがあったことが分かったのでしょうが、連絡前に確認を怠ったの要素抽出の時には”きっとこういう場合にも発生するだろう”という推測で要素抽出をしたのだと思います。

このように、ひとつの系統図の中であきらかに条件が違う要素が出てきた場合には、推測による検討がされた可能性が高くあります。

そして、推測と事実が混在した検討を行うと、余計な検討をすることにもなりますし、立てた対策の整合性、つじつまが合わないようなことにもなりますから、注意が必要です。

掘り下げすぎもダメ

例えば、不具合を出した要因を顧客や関係者に報告をしなければならない。

しかし、自分のせいで問題が発生したとは言いにくく、「自分は悪くない」と、言いたい。

このように、最初からゴールを決めてしまっている場合などに見られる事例です。

この要因分析はあくまでも発生した問題をどうやって解決するか、どうやって今後再発しないように予防保全を行うかということが目的で行われる活動です。

そのため、自分の手の届かない要因まで掘り下げてしまうと、結局対策が取れずにどうして良いか分からない、他人のせいにするといった悪さにつながります

「顧客担当者のミス」を真因としてしまうと、対策は「顧客担当者の交代」や「顧客上司への教育」でしょうか?

「担当する製品が多すぎる」を真因としてしまうと、対策は「課長のマネジメント向上」や「受注拒否」でしょうか?

これでは、対策できませんし、仕事の前提から覆ってしまうことにもつながりますよね?

そのため、掘り下げたあとは、対策立てられるかをきちんと見て、ちょっと掘り下げすぎたと思えば、一つ前に戻るということをしながら、どこが真因なのかを確認する必要があります。

1つのマスに2つ以上の事象を書かない

このように書いてしまうと、形状が違った原因と材料が違った原因が違うはずにもかかわらず、一緒の検討になってしまい、要因の特定が曖昧になりやすいです。

そのため、マスの中には1つの事象について、完結に具体的に書くことがとても重要です。

例えば、5W1Hなど意識して”製品が”や、”顧客からの”といったように対象を明確にすると、内容が具体的になりますから、そのあとの要因も出しやすくなります。

分析が飛ばないように気を付ける

どうしても頭の中で検討や処理をしていると、要因を抽出している際に話が飛んでしまいます。

「A →(なぜ?)→ B」は、「B →(だから)→ A」日本語がつながるかを確認しながら、その要因分析が正しい流れで行われているかを判断します。

「忙しかった から 確認を怠った」

という流れは、一見正しいようにも見えてしまうのですが、忙しいと確認を怠るだけでは少し話が飛躍しすぎだという感覚が持てると良いです。

例えば、「”連絡前には確認を行うことになっているにもかかわらず”確認を怠った」のか、「”確認を行うルールがなく”確認を怠った」のかでも、次に続く要因は違いますが、どちらも忙しかったからという話はつながります。

ですから、事実を確認し「確認を怠った」「忙しかった」の間に背景や状況などを書き加えて、日本語が適切につながるような分析ができると、より精度が上がります。

まとめ

要因分析の手法を使って活動を行う目的は、問題を解決し、再発させないように真因を特定して改善をすることにあります。

ですから、あくまでも対策できない要因を抽出するのではなく、対策できる範囲で要因を抽出することがとても大切です。

掘り下げようと思えば、どんどん掘れてしまいます。

それこそ、上司が悪い、会社が悪い、社会が悪いという感じですね。

それではかなりスケールの大きい話になってしまい、 対策はどうしようもなくなってしまいます。

この感覚があれば、具体的で適切な要因を抽出することも自然とできるようになりますので、気を付けて活動していただけるとよろしいかと思います。