中小企業診断士 R2年度事例Ⅱ再現答案編

中小企業診断士
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所長
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令和2年度の私の再現答案と得点開示結果を公開します。
一年前に不合格だった自分の解答を見てみて、
どんな気付きがあるか楽しみです。

事例Ⅱ

得点結果

40点

再現答案

再現答案の精度ですが、おバカなことに余った時間で問題用紙に解答をメモして見直しをしなかったので、ほぼ再現できています。過去問を解く際に実際の得点と合わせて参考になればと思います。

第1問

現在の B 社の状況について、SWOT 分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ 40 字以内で説明すること。

【解答】
S : アンチエイジング効果のあるハーブを効率的に栽培でき、品質と安全性の意識が高いこと。(40字)
W : ハーブは軽い割にかさばり輸送コストがかかることと、Z社に売り上げの多くを依存すること。(40字)
O : ヘルスケア市場は健康志向の高まりで拡大傾向にあり、安眠効果のハーブの注目が高い。(40字)
T : ブランド刷新のため、2~3年後に製造中止となる可能性が高いこと。(32字)

所長
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第1問から解いていくのですが、やはりその後の設問に
使わない情報がいくつか入っていますね。
R3年度でも同じ失敗をしています。

SWOT分析を最初にすることは必要ですが、試験においては多くのSWOTを抽出したら、他の設問を解いてから、解答に使用した項目のみを抜き出して解答に入れていくことが必要だと感じます。

また、強みはVRIO分析の観点から他社が真似できないものや、経路依存性のあるものを抽出していくことが望ましいと分かりますが、弱みの抜き出しが苦手みたいです。

ハーブがかさばるという点は、自社の弱みではなくハーブの特性であり、ハーブを取り扱う競合他社でも同様の問題を抱えます。さらに、「現在のB社」の状況を問われており、B社はかさばるハーブを粉末にすることでこの問題を克服している点にも注意が必要でした。

このことから、他社と比較して弱い点を抽出することや、時系列でSWOTの変遷を理解した上で解答をすることが必要だったと感じます。

第2問

Z 社との取引縮小を受け、B 社はハーブ Y の乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後は Z 社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100 字以内で助言せよ。

【解答】
健康志向の高い消費者をターゲットとして製品加工、販売する企業と取引する。具体的には、お茶や調味料の材料として食品関連企業との取引や、アロマオイルや香水の材料として美容関連企業との取引拡大を提案する。(99字)

所長
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やらかしポイントです。
方向性を問われている中で、具体的な施策を答えています。
30点もある問題ですが、かなり減点されているかも。

問われていない施策をベラベラと語ってしまって、薄い解答になってしまいました。
具体的施策を問われておらず、「取引先構成についての方向性」を聞かれていますので、「今がZ社に依存しているため、今後複数社との取引を行う」という因果を明確にした解答と、それによる「リスク分散」などの効果を書いていく必要がありました。

また、「健康志向の高い消費者」についても市場細分化が不十分です。「都会に住む」といったジオグラフィック、「健康志向の高い」といったサイコグラフィック、「高齢者層」といったデモグラフィックで行う必要がありました。

第3問

B 社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手がけたところ、ある程度満足のいく売上げがあった。

(設問 1 )
上記の事象について、アンゾフの「製品・市場マトリックス」の考え方を使って50 字以内で説明せよ。

【解答】
ヘルスケア市場は競争が激しいため、島の独自ハーブと、安眠効果を求める顧客に対して差別化集中できたため。(50字)

所長
所長

全然、分かりませんでした。
完全に一次知識不足です。

設問には、製品・市場マトリックスと細かく書かれているのに、まったく頭に浮かびませんでした。予備校でも解答が大きく割れる問題となりましたが、そういう問題は広く加点されているだろうとのことでしたので、気にする必要はなさそうです。

ただ、まったく関係のない差別化集中戦略は0点でしょう。

(設問 2 )
B 社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品づくりに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100 字以内で助言せよ。

【解答】
20歳代後半~50歳代の女性に対して、オンラインサイト上で要望や困りごとを獲得し、要望に応じた効能のハーブを使った商品開発を行い、双方向コミュニケーションを通じて顧客を製品づくりに巻き込むべきである。(98字)

所長
所長

「だなどこ」(誰に・何を・どのように・効果)での解答は
事例Ⅱの基本にはなっていますが、意識しすぎて聞かれていない
ターゲット層を答えてしまいました。

設問文中で問われていないターゲットをなぜか明確にしています。そのターゲット特有のコミュニケーションが制限されていれば、解答に盛り込む必要も出てくるのでしょうが、今回の場合は特に影響しません。

また、双方向コミュニケーションというキーワードが重要だと認識はしていても理解はできていない解答ですね。双方向コミュニケーションは情報を顧客に発信することと、顧客の情報を受信するという双方向があって成り立ちます。解答内に発信する情報と、受信する情報が書かれておらず、「こいつ、ただキーワード入れてきただけだな」というのが丸分かりです。

第4問

B 社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X 島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機に B 社と X 島のファンになってほしいと願っている。
絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべきか。100 字以内で助言せよ。

【解答】
島の観光に訪れた健康志向の高い顧客に対して、島で取れた食材やハーブを使った古くから伝わる祝い膳の提供や、ハーブを使った商品づくりの体験プログラムを企画し、B社とX島のファンとなってもらうことを助言する。(100字)

所長
所長

「祝い膳」の「膳」の字は間違えて「繕」と書きました。。。
誤記が採点にどう影響しているか分かりませんので、
見直しはほんと大事です。

唯一そこそこ書けた解答だと思います。(それでも6割なさそうですが。)

やはりSWOT分析との結びつきが弱くなっていますので、ここでしっかりB社の強みを活かして機会を獲得するような解答構成にしなければならなかったと思います。最近の事例Ⅱでは最初にSWOT分析をさせる問題が続いていますが、SWOT分析をやったらおしまいではなく、その結果を用いて強みを活かして機会を捉えたり、弱みを克服して機会を捉えたり、強みを活かして脅威を避けるなどを考え、最終的にビジョンの達成につながる方向性を示す必要がありますね。

まとめ

1年経って振り返って気付いたことは、

  • 一次知識が定着しておらず、応用ができていない。
  • 「だなどこ」構文にこだわりすぎて、聞かれたことに素直に答えていない。

改めて、全然合格レベルになかったことが分かりました。
重要キーワードや一次知識は認識していても、理解して使える状態になければ、このような薄っぺらい解答になってしまいます。ふぞろい採点であれば、キーワードでの採点でそこそこの点数が取れていたのですが、よく勉強したあとに振り返ってみると、それっぽく書いただけの解答だったと思います。

結局、知識も薄く、それっぽい解答を書くために「だなどこ」構文にこだわるような結果となり、点数が全然伸びない結果につながったと思います。